ひまな警官がなぜ必要なのか
あなたは「プロンプター」という役割をご存じだろうと思います。
ひと口でいえば、芝居、演劇などで、俳優がセリフを忘れたときに教える役です。
岩陰とか樹の陰にいて、役者がセリフをとちったり、つまったと思うと、すぐ小声で「『春雨じゃ、濡れて・・・』でしょ」などと教えるのです。
さて、このプロンプターの仕事のやりがいはいったい何でしょう。
たとえば、「きょうは七回も教えてやったぜ」というような日は、芝居の内容は無茶苦茶な日にちがいない。
これに反して、「きょうは一度も教えることがなかった。自分の出番はまったくなかった」という日は、芝居が順調にいった日といえる。
用意された自分の出番がない日こそ、喜ばなければならないときなのです。
この人たち以外にも、これに類する仕事にタッチしている人は多い。
たとえば、消防士などもそうだ。
「きょうも火事がなかったなあ。退屈だなあ。どこかに放火事件でもないかなあ」などといってはいけないのです。
だからといって、「明日もどうせ火事は起こらないだろう」と、いっせい休暇を取ってもらっては困るのです。
警官にしても同じことです。